蛍光X線分析装置とは、X線を試料に照射することで発生する蛍光X線を測定し、試料を構成している元素の種類と濃度を迅速に分析する装置です。
物質にX線を照射した際に発生する蛍光X線は元素毎にエネルギーが異なるため、元素の同定が可能です。
X線は物質を透過する能力が高いため、固体、液体、粉体を非破壊で分析することが可能であり、RCF(リフラクトリー・セラミック・ファイバー)や有機・無機物質だけではなく、由来が不明の液体、その他未知の異物試料と分析可能な物質は広範に渡ります。
また、蛍光X線分析法はその汎用性の高さから多種多様な分析で用いられています。前処理を必要としないことから、RoHS指令における簡易分析(スクリーニング)など精密分析の前段階の分析にも用いることもできます。
試料セット後、蛍光X線分析装置で分析をすると、下図のようなデータが取得できます。
分析した結果、チタンが99.6%と非常に高く、それ以外の物質では、バナジウムが0.15%、塩素が0.05%と微量でした。ちなみに、「純チタン製」とはあくまでも純度の高いチタンで製造されたものであり、チタン純度が99%を超えるものを呼びます。今回の分析結果から、当コップは純度の高い「純チタン製」であることがわかりました。
今回の分析にかかった時間は約10分でした。
このように、蛍光X線分析装置では、特別な前処理が不要で、簡便に元素の分析が可能です。今回の食器のような比較的大きな固形物や、液体でも分析可能です。
営業時間平日(月~金) 午前8時45分~午後5時30分まで